陶磁器工房について。2

 

 ドルンブルクに行った人達はそれぞれ独自の生活を送っていました。「土は森の中で採りました。それは昔の陶器師の特権だったのです。何メートルもある薪を使って窯の口から火入れをします。24時間の予焼き、24時間の仕上焼き。その間、お酒と尽きることのない会話をしていました。そこではクレーハン兄弟が親分です。薪は山林から競り落とした木をきちんと切って、割ったものでなければなりません。これは正真正銘の「自然」です。特に食料の供給が困難なときはなおさらきびしいものでした。ですが、作業がどれほど大変でも、人体デッサンは一通りやり、土曜日にはゲーテからストリンドベリに至までの朗読があるのです。」

 

 ここでは、技術マイスターと形態マイスターとの間の作業分担や共同作業が、ほかの工房よりもはっきりとしていました。この2つが距離的に離れていたからです。クレーハンの工房では、生徒達はロクロや焼き入れといった技術の基本を身につけ、収入に結びつく「営業窯」でともに作業しました。以前に製陶工場と共同作業をした経験のあるマルクスは、壷を使って学生たちと大掛かりな実験をしたり、陶器の歴史について教えたりしていました。

 

 教育工房を生産工房に拡充するという「本部」の決定は、ワイマールのすべての工房にとって革新的なことでした。