バウハウス宣言

 バウハウス宣言は単に「すべての造形活動の終着点は建築である。」をうたい上げただけではなく、目的、教育カリキュラム、入学条件についての情報も提供するものでした。これが発表されると150人ばかりが入学申請をだしましたが、そのうちほぼ半数が女性でした。時代に合ったカリキュラムと表紙に用いた当時としては極めてモダンな印象のファイニンガーの版画が、人を惹き付けました。

 

 戦場からじかにやってきて、ここで新たに出直したり、自分の人生に意味を持たせることができるかもしれないと考えた人達が大勢いました。グロピウスの呼びかけはまるでファンファーレのような効果があり、至るところから信奉者が集まりました。

 

 事実バウハウスは戦後の制度改革を取り入れた最初の学校として、新共和国の中で教育活動を開始しました。当時多くの芸術学校では、改革を貫徹することが全くと言っていいほどできていませんでした。一見したところバウハウスのカリキュラムは、すでに戦前に改革された多くの芸術学校のカリキュラムと似ていました。

 

 

 ただグロピウスが定めたこの学校の目標の新しい点は、それよりも優先するものとして、「皆が手仕事で共同で」作り上げる「建築」を置いた事でした。