ヨハネス・イッテンの授業

 初期のバウハウスで最も重要な人物は、画家で芸術教育家だったヨハネス・イッテンです。グロピウスは彼に会うなり、強い印象を受けたらしく、1919年3月21日のバウハウス開校式典に、ワイマール国立劇場で「歴史上の名匠の教え」について講演してくれるように招きました。

 

 1919年6月1日にはイッテンは第1回マイスター評議会に参加しました。そうしてその場で彼が1919年10月1日から授業を始めることが決まったのです。彼はほどなく、教育部門の要となり、徐々に活動を始めていた工房の作業に影響を与えたからです。

 

 

 イッテンの教育論の出発は、1組の対立概念で説明されます。「直感と体系」あるいは「主観的体験能力と客観的認識」です。体を動かす訓練と呼吸の訓練が、授業の最初によく行われました。まず生徒たちは力を抜き、緊張をほぐさなければなりません。そうやってイッテンは「流れ行くものから方向と秩序」を作り上げようとしました。

 

 リズムを発見すること、次にさまざまのリズムを調和的に構成することが、授業のほとんど全体を通しての基調でした。その授業は大まかに3つのポイントに分類されました。自然・素材研究、歴史上の名匠の分析、人体デッサンです。