初代校長 清家清 の 言葉

「 志 」

 1989年札幌市立高等専門学校創設にあたり、板垣市長より校長に就任を要請されました。その時、私の脳裏に浮かんだのは、札幌農業学校(建学1876年)とワイマールのバウハウス校(建学1919年)でした。宮部金吾、内村鑑三、新渡戸稲造などが札幌農業学校に入学したのは15歳のころ。論語にも「吾十有五志千學」とあります。バウハウスでは、ワルター・グロピウスが中世の大学のようなギルド的な自由・様式にとらわれないような教育をめざしました。

 

 私もこの新設の学校で「自分の能力を追求することで天職を見出し、それを社会に還元する」教育をめざし、夢をたくしました。私の在職期間は僅か6年間という短い期間でしたが、未だに学生たちとの交流は絶えることはありません。毎年、必ず訪れてくれる学生達とふれあっていると、私の望んでいた「志」が今も生き続けていることを体感し嬉しく思っています。

 

 「魂魄、札幌にとどまる」現在も変わらぬ心境です。

 

 

開校10周年記念誌DATA BOOKから