ロココ様式

 ロココ様式は、18世紀フランスのルイ15世統治時代に成立した装飾様式で、貝殻装飾と曲線を多様した、繊細かつ優雅な意匠に特徴があります。バロック様式が絢欄豪華で男性であったのに対し、ロココ様式は軽快優雅で女性的なイメージです。特に、椅子の意匠に見られるカブリオール・レッグ(猫脚)とシンプルな菱形渦巻や貝殻彫刻にその特徴があり、今日のクラシック家具様式の意匠の源流ともなっています。

 

 ロココ様式の影響を受けたイギリスのジョージ・アン統治時代には、ゴシックや中国(シノワズリ)の様式が加味されたリボンバック(リボン飾り彫刻の背板)や組子意匠の背板をもつトーマス・チッペンデールによるチッペンデール様式が登場しています。

 

 ルイ16世統治以降の18世紀後半には、古代ローマ様式の影響を受けた〈ネオ・クラシシズム(新古典主義)〉が興隆し、イギリスではヘップルホワイトによる楯型の背もたれをもつシールドバックとトランプのスペード型をした角脚のスペードフットに特徴をもつ〈ヘップルホワイト様式〉が完成しました。